【WBC】イスラエルの快進撃を見よ!その強さは「母国を出た」歴史背景にあり。
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世間は、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で盛り上がってますね。
下馬評はやや低かったにもかかわらず、小久保監督が率いる日本代表は善戦しています。
さて、そんな中で一つの国が「台風の目」として注目されています。
「イスラエル」代表チームです。
世間はWBCで盛り上がってますが、初勝利を挙げた(世界ランク41位)イスラエルが躍進してます。https://t.co/ya0cZH78iy
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
1次リーグの話題の中心は、A組のイスラエルの快進撃だ。
開幕戦で韓国を相手に延長十回で2―1で競り勝つと、7日の台湾戦は20安打15得点と打線がつながり快勝した。
イスラエル首相も喜びのコメント。私たちのイメージのつかないような中東から、新たな野球の強豪国が誕生しましたねぇ。 https://t.co/ZTxo7bCCDo
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
本戦出場は初めてだけに、下馬評は低かった。(中略)
世界ランキング41位は、参加16チーム中最下位だ。
なぜにこんなに急激に強くなったのか?
今大会のイスラエル代表はほとんど、
「アメリカ国籍・イスラエル国籍、両方持つ選手」で占められています。
選手登録されている28人のうち、27人がアメリカ国籍を持っています。
ごく一部の選手は、米国の野球リーグの最高峰「メジャーリーグ」へ昇格。
ほとんどの選手は「3A(トリプルエー)」まで駆け上がった選手で占められています。
本国イスラエルのリーグに参加した選手はたったの一人です。
ほとんどの、ベースボールの本場・アメリカで戦ってきた選手たちが、ルーツを辿って母国に戻ってきた形となるわけです。
メジャーリーグの組織形態については、詳しい下記記事を引用します。
寄せ集めチームと思いきや、選りすぐりの選手が集まり、イスラエル代表はまさに「ドリームチーム」とも言ってよいでしょう。
さしずめ「アメリカで、母国愛が溢れるイスラエル人による"県人会が結成"された」とでも言うべきでしょうか(?)
(僕自身も、何度も勉強させていただきました…)
国籍条項もあって条件はゆるいけど、アメリカでプレーする選手たちがイスラエルの躍進を支えてる。ランキングなんか関係ない。あるのは人材の力ですね。https://t.co/9t91PxMbBB
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
引用1
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
「しかも、ほとんどが大リーグ傘下マイナーでプレー経験がある。大リーグのドラフト1巡目で指名された選手は4人いて…」
さらに、チーム編成担当などのスタッフも、本場・アメリカで現役で活躍するメンバーで占められています。
彼らの強み…まさに"ルーツへの思い"一つにあります。
[https://twitter.com/KT_OKey/status/839530887930732544:embed#引用2
スタッフにも「大リーグ仕込み」がいる。編成担当を務めるアレックス・ジェイコブス氏は、アストロズの現役プロスカウトだ。イスラエル野球協会によると、スカウト経験を駆使して、相手チームの分析や戦い方など、詳細にわたるデータをもたらしているという。]
【余談】イスラエルは「母国から出る」ことで、道を開くしかなかった。
イスラエルルーツ(とりわけユダヤ人と呼ばれる)の人々がすごいのは、何百年にもわたる人的資本蓄積。
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
「アカン、どこへ行っても迫害されてまう…」
「せや!いくら虐待されても頭の中までは略奪されんで!」
ということで、教育に力を注ぎ、どこでも活動できる人材が育った。
早くから「資源に頼ることができない」「〜ができない…」とたくさんの制約からイスラエル国外へと出て行き、それぞれの活躍の場を創っていった。
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
そうした人的資本の蓄積こそが、今日のWBCにおけるイスラエルの躍進につながったと言えますね。
ここでは割愛しますが、
イスラエルという国家、またこの国をルーツに持つ人々は迫害の歴史をたどってきました。
どの場所へ行っても、宗教や権力者の影響を受けてしまう…。
こうした迫害の歴史が、逆に「国家への帰属意識」よりも先に、どの場所でも通じ、没収されない「財産」「知識」をたくわえることに人々を集中させたのでした。
彼らは「ルーツ」に対して敏感です。
表敬訪問のため、わざわざイスラエルへと赴いたのでした。
今年(2017年)1月にデービス、フルドら10選手ら(中略)が、イスラエル第2の都市テルアビブを訪問。
全員がイスラエルの土を踏むのは初めてだった。
何千年にわたって、世界各地で蓄積された知見・腕前を持つイスラエル・ユダヤルーツの人々が集まる…。
野球はごく一つのきっかけにすぎません。
しかし、共通の目的のために世界から集まった_。
この結束力を取って見ると、全世界で知恵や実力を蓄積してきたイスラエルの凄さを見ることができるはずです。
「WBCは自分のルーツに誇りを持てる素晴らしい大会。イスラエルのマークを胸につけてプレーする事はとても大きな意味がある」
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
_主力投手のコーリー・ベイカーのコメントより。
「ビジネスへの参入」という視点も忘れてはならない。
もちろんビジネス領域に長けるイスラエルですから、この躍進は「将来のMLB成長戦略の一環である」と指摘される点も注目したい。
— 片岡慎悟(高知のウォーリー) (@KT_OKey) 2017年3月8日
2012年の記事から引用。
「WBCにイスラエル代表が出場する理由」https://t.co/QpCdUUMMQm
イスラエルにも一応、国内リーグはあります。
2007年に設立されたばかりで、資金難から翌2008年に休止。(2013年に再開)
現在の競技人口は、わずか5000人程度です。
しかし、サッカー・クリケットが人気の中心を占めている中東エリアにおいて、
「野球というマーケット拡大のキー」を担う存在。
イスラエルがそのポテンシャルを秘めているわけです。
中東にまだ野球の入る余地があるかもしれない…。
ショービジネスとしても。
それだけで、世界各地でビジネスのキーマンを排出する彼らが、仕掛ける理由になるかもしれません。
※イスラエルの野球事情についてはこちらが詳しいです。
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並びに、メジャーリーグの世界戦略についての参考書籍もどうぞ。
【学び】万物よ、流浪せよ。さすれば、養われん。
というわけで、
イスラエル(もしくはこの国をルーツに持つユダヤ人)の歴史が持つ特異性を書いてきました。
彼らは、拠り所がない不安定さから「知識」「財産」へ集中・特化することで、世界各地でその地位を向上させてきました。
イスラエル代表は寄せ集めチームを以てして、
人材の質・優れたマネジメントによって「メジャーリーガーが少なくとも勝てる」ことを証明している最中にあるわけです。
その観点においては、今回4回目のWBCは意義深いものになります。
また、我が国日本も転換期にあります。
彼らのように、どれだけ様々な地域から異質(?)なものを得て、異質なものを受け入れ、熟成させるだけの土壌を持つかが、鍵なのではないでしょうか。
というのが、今回のWBCで感じていることであります。
その他、野球コラムについてはこちら。