ゲストハウスの大切な役割を3つ出してみた。たった6か月でこんなことを悟りました
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故あって「はりまや橋ゲストハウス」の店主をしております。ここで過ごして早6か月になりますかねぇ。
さて、インバウンドやら民泊というキーワードでふたたび再浮上のチャンスを掴んでいる我が国、日本_。
今この時期が、まさに転換期。
そんなことを下記の本を読みながら感じている今日この頃であります。
一方日本では、街は安全で、ご飯は美味しく、経済の低迷が続いているとはいえ、世界の中ではまだ相対的に豊かです。しかしながら、そんな平和な時代もついに終わりを告げようとしています。安寧の日々が続くのもせいぜい2020年まで。(中略)
_その後、敗戦から立ち直った日本は、奇跡の経済成長を遂げ、輝かしい「近代の第2ステージ」を創り上げました。しかし、その時代にも終わりが近づいています。戦後モデルのガラガラポンがあらゆる領域に迫っているのです。
2020年前後から始まる「日本近代の第3ステージ」、通称「日本3.0」は、これまでとは全くことなる思想、システム、人を必要とします。
_2020年の人生戦略(幻冬舎)_佐々木紀彦 より引用
さて、こうして宿をしていると地域にとって重要な役割を担いうることを改めて実感しております。
とりわけ、高知県のような「地方・過疎地域」と呼ばれる場所にとってはなおさら「重要な役割…やはりこの役目は大言壮語…ではない。真理なのでは?」と考えるようになリました。少しばかりまとめてみましょう。
①"地域のハブ"としてのゲストハウス
まずは、地域の拠点としての役割を担っているというポイントです。
地域にその場所のことを何でも知り尽くしている賢人やら、生き証人やらがいるように…。
この地域の情報・もしくは伝承をゲスト様に伝えてあげられる役割を持っています。
とりわけ「はりまや橋ゲストハウス」は"魚の棚商店街"の伝承という役割を担っているわけです。
というのも、僕のような20代がほとんどいない状況で、お店の後継者であったり、伝承をできる人がいない状況だったわけです。
「昔は「魚の棚ニュース」((という形で、この地域のことを書いていたんよ。
だいたい2か月に1回を更新して、50回目記念のときには高知新聞も取材に来てくれて、当時の高知市長さんから表彰もいただけた。
けど、この歳になったらさすがに書けないがねぇ〜」
「魚の棚商店街のことを最も知っている人との話」より
※調べたら、こんな過去の記事もありました。参照にどうぞ。
伝承を見聞き知り、誰かに伝承する。地域が地域としてあるために、必ず必要な要素です。
ある意味、僕のような若い人が、ただ居るだけでも重要なのです。
こうした伝承を、少しでも残してくれるかもしれないのですから。
もちろん、この宿のホスト側(ゲストさんを迎え入れる側)として「高知県全域のこと」を話し、ガイドする役割になれるわけです。
かなり主観的なのですが、
はじめて高知を訪れるホストさんはほぼ、
「高知のイメージかぁ…「カツオのたたき」「龍馬」の二つだけかなぁ」
という方が95%くらい占めているようです。いやもっとあるでしょ!(笑)
そんなわけで、
「高知県って、実はこんなコトもあるよ!」という偶然の気づきを授けるのも、僕らの役割なのだなぁと感じるわけです。
②"偶然性を生む場所"としてのゲストハウス
さて、"偶然性"というキーワードが出てきましたが、
ゲストハウスが持つこの役割「偶然性」は外せないキーワードです。なぜか?
それは、宿泊しているゲストさん同士がコミュニケーションできる機会が(ホテルと比較して)格段に多いからです。
その日たまたま出会った旅人同士が、
・出身地が同じという理由で、ジモトークが弾む
・共通の話題が見つかり、意気投合して一緒にランチに出かける
・お互い知っている知人で、繋がっていた
・お酒を飲みに、近くの居酒屋に飲みに行った…
などなど、ホテルに比べてはるかに"偶然のチャンス"が多い空間なのです。
↑ あくる日の様子。ゲストさんの差し入れと企画が偶然重なり、皆さんで日本酒を堪能しました…
逆にホテルだとそうはいきません。部屋単位で区切られている分、どうしても心理的障壁が厚いので、家族や仲間内単位で楽しむ傾向になリます。
この点で、ひとえに「同じ宿泊業ビジネス」だとしても、畑の違う領域ですし、
民泊ビジネスにしても決して「安宿」とは片付けられない「求められる理由があるのだなぁ」と実感しております。
③"歴史を保存するところ”としてのゲストハウス
ゲストハウスは当然ながら、場所に依存するビジネスです。その地域と一蓮托生の関係にあるとも言えるでしょう。
この点で、ただ泊まる場所を貸し出すだけのビジネスとはまた異なり、「地域の代言者」としての使命・役割を持っているわけです。
↑ 目の前のコロッケ屋「ひろっちゃん」にて。かれこれ20年続いており、"商店街の味の象徴"だ。
↑ 近くの居酒屋さんにて。創業60年を超えるこのお店に、多分僕のような若者は滅多に来ない。
とりわけ、小規模メディアを作り出しやすくなった「インターネット時代」の今なんかは、「ゲストハウスのメディア性」は地域を描き出し、表現するために重要なプレイヤーなのでは?というわけです。
その地域の雰囲気や、風土を伝える側としてのゲストハウス…。この「はりまや橋ゲストハウス」にしてもその役割を担っているのだなと実感しております。
今年は「歴史」をキーに、まとめていきます。
振り返れば、最初に泊まった瞬間から、この宿と商店街に惚れ込んだ1年前。
このエリアのために、何か残したい…。
というわけで、
日々の業務(例えば、清掃・ゲストハウス内の保守管理…)はもちろんの事、
地域のことを描き出すのが、当面の役割と感じています。
・「魚の棚商店街」特集
・高知市内の「モーニング」
・その他高知県の名所(今年はとりわけ東部に縁がありそう!)
はもちろんの事、「片岡家の歴史」についてもコンテンツ化していきます。
※ちなみに「いやお前そんなん中学生の自由研究で済ませとけよ」というコメントを頂いたこともありますが、仕方ないじゃないですか。
「いやあなたがTime Machine作って、俺を10年前に戻してくれよ!」ってくらい、どだい無理な話ですから。
だいいち「家の歴史って大事やん!書き残したろ!」って悟れる中学生、ほぼいないだろうよ。笑
こっちには「叔父さん(僕にとって祖父)の生まれた高知県に行きたいけども、もう歳で行けない…」という親戚の方がいるわけですから。叔父さん、待っちょってくれ!
個人的なことも書きましたが、ゲストハウスには(ビジネス性だけでなく、)
文化的な役割もあるんだよ〜!というのが、今回お伝えしたいことでした。まだまだ頑張ります。
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— 濱名 亮太 (@hamatyo8) 2017年1月18日
兼
ゲストハウスオーナー
の
ウォーリーと再開してきました。
相変わらず滑舌地獄です。 pic.twitter.com/VcLzSI90de
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