【WBC2017】侍ジャパン、決勝ラウンドへ!アメリカでは"魑魅魍魎"だらけのアメリカ・プエルトリコとのドリームマッチだ。
スポンサーリンク
※【2017 3/20 追記しました】
期待してた、ドミニカ共和国が敗退してしまった…まじかぁ。
予想を外したので「アメリカ代表」を追記しました。
ここ最近、WBC(World baseball Classis)のことを更新してばかりで申し訳ない。
しかし、日本野球を言語化する側としては、ぜひとも見たい展開が続くので、ぜひとも言語化させていただきたいところであります。
下記の記事では、日本代表(通称:侍ジャパン)は散々に、
「小久保監督はアカン」「大谷いない侍ジャパンなんてオワコン」という下馬評を覆して、勝利を重ねた。
その結果、4大会連続で「決勝ラウンド」へ進出した。
キューバ・オランダ・イスラエル代表も確かに、アメリカ・メジャーリーグや国際大会で活躍してきた選手が多い。
それでも日本野球で養われた武士道を源流とした、"野球道"を極める文化背景のもとで
「間」「空間」を察知し、「ゲームメイク」してゆく力においては、一日の長が侍ジャパンにあった。
この理由で、日本の野球は安定的に強いチームだと、主張してきた。
「4大会連続*1での決勝ラウンド進出」は、日本だけが継続している記録という点で、わかってくださると思う。
【参照】ワールド・ベースボール・クラシック - Wikipedia
しかし、ここからベースボールの本場と言われるアメリカへ渡って、決勝ラウンドへと駒を進めるわけだが、第二次ラウンドを戦った三国とは全く異なる、スーパーマン、いやそれどころか、
モンスターたちとの戦いになることを、改めて主張しておきたい。
そして、彼ら野球モンスター達を超える物語を、私たちは見たいわけなのだ。
ひとまず、決勝ラウンドへと進む候補たちのことを記しておきたい。
彼らは確かに、全世界を見渡してみても、スーパーマンなのだから。
※筆頭候補(だった)「ドミニカ共和国」
残念ながら、第四回はアメリカ・プエルトリコと守備力の差で敗退してしまった。
もはや「MLB(アメリカ・メジャーリーグの野球)を牛耳る」のは彼らとも言ってもいいくらいに選手層・身体的センスが優れているのは言うまでもない。
彼らが優れているのは身体性なのは間違いない。遠くに飛ばす、レーザーのごとく送球、ボールの速い選手…そして何よりも「ハングリー精神」を有している。
彼らの置かれた環境は「野球で成り上がる」精神だ。
貧しい環境なら、野球で身を立て、MLB(アメリカ・メジャーリーグ)を目指すことが、出世ルートの一つ。
そこからデービット・オルティズ(1999~2016年引退)、アルバート・プホルス(2001~)といったスーパーマンを輩出してきた。
シーズンオフには母国ドミニカ共和国に戻って、チャリティ活動するというのだから、野球人の鏡である。
野球で成り合った彼らは「母国に恩を返したい」というエネルギーであふれる。
そして、打線が末恐ろしい。
その象徴が、
老いてもなお、トップで在り続ける「ホセ・バティスタ」「ネルソン・クルーズ」の二人だ。
まず、御年37歳を迎えるホセ・バティスタ選手だ。
⬆︎ Youtubeより引用
かつて、阪神タイガースに移籍か?というくらいに伸び悩んだが、30歳にして開花。
ピーク時には54HRをかっ飛ばし、今でも年間で30HRを期待されるほどのパワーヒッター。
今やカナダのトロント・ブルージェイズには外すことのできない中心として君臨している。
次いで、ネルソン・クルーズ外野手だ。
かつてはダルビッシュ有投手と同僚(テキサス・レンジャーズ)として、
そして今はイチロー選手の所属したシアトル・マリナーズの主砲として、代表の6番に座る。
今年で35歳と、すでに晩年を迎えつつあるが、力みのないスイングから打ったボールがぐんぐん伸びてゆく。
この二人には「大器晩成」という言葉がピッタリだ。
40歳を超えてもプレーできるという期待感を持ち続けるだけあって、オーラがムンムンと漂ってくる。
失投は、許されるのか…?
さらに、内野手は「どんなフォームでもアウトを取る」ことを念頭に置いているだけあって、身体性が素晴らしい。
日本では菊地涼介選手が、彼らに匹敵するほどの運動神経を持ち合わせており、いつしかMLBに行ける存在だが、彼に並ぶだけの内野手がゴロゴロといる。
加えて、彼に並ぶレベルの内野手が、二遊間にいる事実。
そんな身体を持つ選手が、アメリカ・MLBの中心にいる事実。
それが、ドミニカ共和国だ。
①たった一人の男にやられた4年前の相手。プエルトリコ
4年前の2013年、第三回のWBCで、侍ジャパンが敗退した相手を覚えているだろうか。
そう、知る人は知っている、プエルトリコである。
「ヤディアー・モリーナ捕手という、たったひとりの男の手で踊らされた」と言っていいほどだ。
⬆︎ 名手が使うキャッチャーミット | メジャーリーガーのグラブ研究! より
ケンシロウと言えば、四兄弟の末弟という、フツーなら後継者争いから外れた存在だったはず…なのだが。
正当な北斗神拳の後継者になった男だ。一つ読んでみてほしい。
で、上の兄貴二人もメジャーリーグの捕手。
(「北斗の拳」長兄ラオウ、次兄トキも、そりゃあ強い。いっぺん読んでみて!)
その彼らの実績を超えてしまったのだ。
2度のワールドシリーズ制覇、13年に渡ってレギュラーを張るその存在…。
要は「兄よりすぐれた弟なぞ存在しねぇ!!」をひっくり返してしまったのが、ヤディアーなのである。
二人の兄も、メジャーリーグで同じく2000年代に活躍・三人ともワールドシリーズ制覇のメンバーというエリート捕手の一家であった。
で、彼ら二人の兄を超えたのが、三男坊・ヤディアーだ。
①長兄ベンジーよりも強打で、次兄ホセよりも守備で優れている…という、スーパーマンっぷり…。
(三兄・ジャギはどこいったかって?知らないねそんな子は)
②ヤディアーは一度も移籍したことがない。13年間セントルイス・カージナルス一筋で、球団も「一番手放したくない選手」に数えている。
③彼の持つ長所は、イチローばりの強肩と、相手打者の雰囲気を読む力である。
⬇︎ 彼の投げるボールは「同じ人間とは思えない」レベルである。それくらいに一直線に投げるボールが伸びてゆく。一つ覗いて見て欲しい。
で、こちらは「ニコニコ動画」より。
膝をつきながら送球って、どんな肩をしているんだこの人は。
この長所の前に、2013年の侍ジャパンは一回たりとも盗塁できなかったし、
執拗に、苦手なコースを攻められた。
当時のプエルトリコの投手は、ほとんど3Aというメジャーに上がりきれなかった投手ばかりというのに。
モリーナは抜群のリードを見せた。打者の立ち位置に眼を走らせ、どの球種にどう反応するかを瞬時に読み取り、投手の能力に合わせて攻め方を決定する。(中略)
たとえば、5回裏の日本のチャンス。坂本のヒットと中田の四球で作った1死1、2塁の好機を迎えながら、稲葉と松田が連続三振に倒れた場面を思い出してみよう。(中略)
打者の逸る気持を読み切ったのだろうか、モリーナはこの2番手投手に、徹底して低目の変化球を要求した。
稲葉も松田も、完全に術中にはまった。首をかしげたくなるようなボール球に手を出し、スウィングはことごとく空を切った。
その間、ストライクはほとんどゼロ。球速が145キロを超える球も皆無だった。
4年前、たったひとりの、世界トップの捕手に屈したのだった。
「極めるとは、こういうことだ」
と感じた、一試合だったことを、今でも覚えている。
このほか前回大会とは異なり、
「カルロス・コレア」選手、「フランシスコ・リンドーア」選手を筆頭に、20代前半の中心選手も増えている。
②ようやく優勝射程圏内に入ってきた?「アメリカ合衆国」
実は第1回〜3回の、WBC全試合の成績が.500と、
大会の盟主でありながら中々成績が残せなかったアメリカ。
ようやく怪我人も少なく、上々のメンバーが揃った格好だ。
監督も、22年にわたって監督業を続けたジム・リーランドが総指揮を取る。
白い口ひげが印象的なおっちゃんだが、百戦錬磨の様相がただよう。
かつて「ピッツバーク・パイレーツ」「フロリダ・マーリンズ」「デトロイト・タイガース」ら4球団を渡り、アメリカの頂点を決めるワールド・シリーズへ3度導いた名将だ。
その下に集う選手も、打撃・守備ともに堅い選手が招集された傾向だ。
その中で、あえて「この選手がスゴイ!」と選ぶならば、
「ノーラン・アレナド」と「ジャンカルロ・スタントン」の2選手を選ぶ。
まずは「ノーラン・アレナド」選手から。
フィジカルお化けだらけのMLBで、2年連続で「本塁打王」「打点王」2つのタイトルを獲り、弱冠24歳にして4番に座る。
24歳…これで俺と同い年なんだぜ???
この大会では不振ではあるものの、守備がまぁスゴイ。
だから欠かせない。
「エェこんな体勢から投げるの???」という動きばかり。
まさに刮目せよ!とばかりの選り優りのプレー集だ。
そして、もうひとり「ジャンカルロ・スタントン」選手。
みなさんご存知・イチロー選手の同僚でもある。
過去に顔面にデッドボールを食らったことをきっかけに、打席では頑丈なマスクをつけている。
ゴリッゴリの腕に、星条旗のシャツ…さしずめ"キャプテン・アメリカ"だ。
細いハンマーを振ったかのようにバットは先走り、当たったボールはヒョーンと飛んでいく。
筋骨隆々の身体が繰り出す、無駄のない動き…。
そう、これもまさに芸術といっていい位だ。
日本代表の強みが決して効かない、魑魅魍魎の世界へようこそ!
掻い摘んで書き綴ってきたが、これだけのスーパーマンがいる世界が、
MLB(メジャーリーグ)にゴマンとおり、中心は「ドミニカ共和国」「プエルトリコ」出身の選手たちだ。
そしてその世界で第一線を張ってきた選手たちが、迎え撃ってくるはずである。
ぜひとも、コアなファンから初めてWBCを見る方まで、
「ドミニカ共和国」「プエルトリコ」(あとは本場「アメリカ合衆国」もね)
のスーパーマンたちとの戦いを見て欲しいと思う次第であります。
彼らの予想外の動きは、
「すごーい!君は野球がうまいフレンズなんだね!」という抽象的な魅力から、
奥深い文脈まで、ビリビリと楽しませてくれるはずだから、存分に中継を見て欲しいと願っております。
今日は疲れた_もう寝よう。
良い、WBC日和を、願ってます。
*1:2006,2009,2013,2017の4大会、開催されてきた