なぜ、ロジックは万能ではないのか。
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道産子ブロガー片岡です。僕は弁論部出身で、散々ロジック(物事をわかりやすく整理する型)を追求してきました。
おかげで「根拠を積み立てる癖」がつきましたし、考えるための型は少しは身についたと感じています。
しかし、そうした経験を通じて「ロジックを使うこと」の限界も感じるようになりました。
ロジックが万能ではない理由
イケダハヤトさんが「ロジカルシンキング」について言及してます。
まず、ロジックはどのような役割をするのでしょうか?引用を通じて整理します。
(太字・下線はこちらで加筆しました。)
「ロゴス(論理)」は言語やロジックなどで、相手に「なるほど、よく分かりました」と言わせる力ともいえます。伝えたい内容を体系立て、順序よく説明できれば、相手も納得してくます。
※ロゴスは、ロジックの元の言葉です。
さらに、人に納得してもらうための要素は二つあります。「エトス(エシック・信頼)」「パトス(パッション・情熱)」です。
「エトス(信頼)」は仁徳ともいえる、個人の人間性、品格、気質、倫理感、信頼性のことです。相手に「この人の言うことなら聞く価値がある」と思わせる力ともいえます。
「バトス(共感)」は情熱、熱意、感動など、心情的に共感できるエネルギーです。
「人間は感情の動物」とも言われます。決して「ロゴス(論理)」だけでは動きません。相手の印象に残りやすい、共感を生む伝え方が重要です。
ここからまず1つ目の理由を述べることができます。
①信頼・情熱を上回ることはできないから
順番に考えてみましょう。
まず初めに相手の心をつかむには「エトス(信頼)」が必要です。どれだけ魅力的な商品でも、信頼がおけない人からの提案であれば断られます。信頼を得るためには何度も会ってお互いを知ることが大切です。次の要素は「バトス(共感)」です。 相手の感情に訴え、共感が得られれば相手は動きます。「細かいことはよく分からないけど、君に任せるよ」と言ってもらえた場合には、信頼と共感を得られたことになります。
信頼・共感は、その人・モノに対する物語をわたしたちに見せてくれます。
その物語は、オリジナルなものであり誰にでも「再現しろ!」と言われてできるものではありません。
②究極、誰にでもゲットできる能力だから
この”誰でも”というのがミソです。
誰でもというのは普遍性(全てのモノ・ヒトに当てはまること)を指します。
習得する速度、理解度といった個人差はあれども、
誰でも説明できる、理解することができるというのは「コモディティ化」という他の何かに置き換えられるものでしかないのです。
それ故に、
「それは売れない」という反対意見が噴出したアイデアが大ヒットする
なんてこともあるわけです。
③「エネルギー」という無形の力が働かない
①に上乗せする形になりますが、対象のモノ・ヒトに対する物語というのは、独特のエネルギーを持っているわけです。
「火事場の馬鹿力」「背水の陣」とはよく言いますが、人は特殊な、限定された条件のもとでふだんは見せることのない「無形の力」
が働くわけです。「雰囲気」「勢い」「幸福」…といったこれらは簡単に数値化できるものではないのです。
こうした数値化、言語化することが難しい秘めたるエネルギーに、我々は惹かれるのです。
これも、論理的に書いてしまいましたねw
とどのつまりは「誰
にでもわかる構成は、”誰でも”対象になるが故に、特殊なものでなくなる」というわけです。
ロジックは「フレームワーク」
だからといって「みんなが求めているものだからロジックは必要ない」というわけでもありません。
ロジックは、あくまで整理するためのツールですし、自らが考えを整理するためのフレームワーク・形になるわけです。
ですが、普遍的な力よりも先に、自らの言葉で自信たっぷりに、「全員を納得してもらう必要はないんだ!」という割り切るマインドを持って、
雄弁に物語を話し、肝っ玉の太さを養うことの方が大事なのだと実感しています。
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